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明治、大正、昭和と約120年の時を経て、古人の知恵と現代人の技術とが融合したアワビの貝殻エキスが、今、平成に蘇ったのです。 アワビの貝殻エキスが「白内障」にも「緑内障」にも有効なことは疑いのない事実ですが、それではアワビの貝殻エキスにはどんな成分が含まれていて、目にどのように有効に働くのでしょうか。
N大学薬学部のK教授の研究をもとに、現在判明している含有成分からそれぞれの薬理(働き)を整理しておきます。 アワビの貝殻エキスには、アワビの貝殻の真珠層、すなわち内側の輝いている真珠質の部分に、以下のような貴重な成分が豊富に含まれています。
コリン、コンキリオン(グリシン、グルタミン酸、メチオニン等のアミノ酸群)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セレン、亜鉛、銅等真珠層の成分内容は非常に複雑です。
@体内でアセチルコリンとなり、副交感神経の働きを活発にします。
A血管の拡張作用があり、血流を改善します。
その結果、眼球内の房水の排出を高めて眼圧を下げ、「緑内障」を改善します。
B神経伝達を活発にして、視神経の機能を向上させます。
コンキリオンという親和性のあるコラーゲン様タンパクで、変性して失われていく水晶体コラーゲンを補いますから、「白内障」の予防、進行抑制、改善の働きをします。
強い抗酸化作用で水晶体のコンドロイチン硫酸やコラーゲンの酸化を防ぎ、「白内障」の予防や進行抑制に有効です。 グリシン、グルタミン酸は体内でグルタチオンに合成されて水晶体の酸化を防ぐことで「白内障」を予防し、進行を抑制します。
メチオニンは体内でアセチルコリンに変化して眼圧を下げますので、「緑内障」に有効に働きます。 炭酸カルシウムは水溶性で吸収されやすいので、血中カルシウム濃度を高めます。
その結果、水晶体内に流人するカルシウムを抑制することになり、「白内障」を予防し、進行を抑制します。 炭酸マグネシウムは水溶性で吸収されやすいので、水晶体内に取り込まれます。
取り込まれたマグネシウムは水晶体内のカルシウムと置き換わってカルシウムを排出します。 その作用が「白内障」を予防し、進行を抑制します。
セレン、亜鉛、銅はそれぞれ抗酸性酵素の構成要素ですので、強い抗酸化力をもつ酵素を生成します。 その結果、「白内障」を予防し、進行を抑制します。
漢方に「養肝明目」という語句があります。 すなわち、肝臓と目とは深い関連があり、目の健康に肝臓の養生がかかせないという考え方です。
逆に肝臓の症状が目に現れることはわれわれ西洋医も知るところで、肝機能障害による黄疸症状が目に真っ先に現れることは、一般にもよく知られています。 このように病因を体全体から捉える傾向の強い漢方では、病気の診立てだけではなく漢方薬にもその思想が強く反映されています。
「養肝明目」も漢方の考え方ですが、それに則ってアワビの貝殻抽出エキスは、主剤の「石決明」に以下の3種類の副剤を組み合わせてあります。 主剤はもちろん「アワビの貝殻の真珠層」の有効成分を抽出精製したもので、それだけを飲用しても充分な効果が期待できることはN大学薬学部のK教授の実験研究からもわかっていますが、いっしょに用いられている副剤がさらに主剤の特質を補い、絶妙に生かすように工夫されています。
その強力な助っ人とは、クコエキス、菊花エキス、およびエビスグサエキスの3種類です。 なぜこの3種類の副剤が助っ人と呼ぶほど強力な配合であるかということは、漢方を学んだ人ならばすぐ合点がいく組み合わせ方法なのです。
「君臣佐使」とは、漢方薬の調合理論で、処方構成の法則です。 その内容が書かれている漢方の聖典『傷寒論』は、平安時代に空海と最澄がそれぞれ唐から持ち帰ったと言われています。
その概要は、薬のレベルと役目の分類法で、それぞれ「君薬」は上薬で養生を主として毒性のないもの、「臣薬」は中薬で養命を主として毒になる場合もあるもの、「佐薬」と「使薬」は下薬で病治を主とし、毒性も多いものを指します。 また、しばしば将棋の駒に例えられます。
「君薬」は王将、「臣薬」は角、「佐薬」は金、「使薬」は桂馬や歩です。 なるほど上手な例えで、将棋盤の上で王将を中心にそれぞれの駒が個性を発揮しながら勝負を展開していく様は、あたかも主剤を副剤が守り、生かしていく姿を活写しています。

因みにアワビの貝殻抽出エキスに「君臣佐使」の組み合わせを当てはめると、「君」は「石決明」すなわちアワビの真珠層エキス、「臣」はクコエキス、「佐」はエビスグサエキスと菊花エキス、「使」は錠剤にするために必要な、わずかに配合されたシヨ糖エステルとセルロースがそれにあたります。 それら副剤を簡単に説明しておきますと、次のとおりです。
クコは漢字では杓杞と書きますが、古来、中国では高麗人参とともに不老長寿の薬として大切にされてきました。 日本でも自然治癒力を強め、目のかすみを取り除き、心身症を予防する薬として用いられてきた歴史があります。
平安時代には不老長寿の霊薬として珍重され、これを服用していると気力、体力が常に充実し、やがて仙人にもなれると言われて貴族の間で愛飲されたという記録も残っています。 それほどまでに薬効が認められ、なかんずく目のかすみを取り除く特効薬として用いられた記録も多く残されているということは、それだけ身体に有意に働く成分が含まれている証左と考えてもおかしくありません。
事実、クコには多くのフラボノイド、特にルチンが大量に含まれています。 フラボノイドとは一定の化学式を持った物質を指し、野菜やその種子に多く含まれていてその種類は4000を数えます。
なかでもルチンはよく知られていますが、活性酸素の除去、抗菌、抗ウイルス、毛細血管の強化、高血圧予防など、私たちの体の健康維持には欠かせないものです。 一般に目によいと言われるブルーベリー、黒豆、DHA、めぐすりの木(民間薬として樹皮を煎じ、目薬にする)、八目ウナギなどもこのフラボノイドの働きなのです。
また、クコと呼ばれるクコの実には、ペタン、ゼアキサンチン、フェリイェンなどのアルカロイドが豊富に含まれているほか、アルギニンやグルタミン酸、アスパラギン酸などの必須アミノ酸が含まれています。 とくに菊花との相性がよく、漢方では古くからそれとの相乗効果があることがよく知られています。
クコは精血を補養し、肝臓・腎臓の働きをよくし、「老人性白内障」や視力減退に効能がありますが、これらの効能を漢方では「補腎益精・養肝明目」と言います。 クコと菊花の両者を配合した漢方薬は「杞菊地黄丸」と言って、肝臓・腎臓・目の働きをよくします。
その効果は「滋腎養肝・清熱明目」と言われ、漢方では、めまい、流涙、かすみ目、ドライアイなどに使われます。 菊は代表的な秋の花ですが、漢方では肝機能を高め、血と気のめぐりをよくする生薬として処方されていて、その結果、目の症状を鎮めます。

目の疲れ、かすみ、痛み、充血、視力低下などの改善に有効に働きます。 この項の冒頭で「養肝明目」について書きましたが、漢方の原典である『神農本草経』には植物生薬の上品にランクされており、不老長寿の薬草と考えられていました。

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