転職を観察したら
すべての会社の説明を聞き、すべての会社に足を運ぶことをお薦めします。
導入研修を受けながら気持ちを切り替えていきます。
この段階で転出、再就職を自分の問題としてとらえ、前向きな気持ちになれれば最初の関門はクリアできます。
いい意味でも悪い意味でも以前の会社への気持ちを引きずらないことが大切です。
今までの経験を具体的に一つずつあげていくことで、自分に何ができるのか、何がしたいのか、自分の強みと弱みを認識します。
もちろん、職務経歴書作成のためのデータ収集という意味もあります。
職業適性診断テスト、市場価値測定テストなどを行なうところもあります。
会社でつくってきたネットワークは大きな財産です。
再就職先紹介の依頼ができる、そして再就職決定後に力を借りることのできる人や会社のリストづくりです。
新卒のときと違い、職務経歴書が必要になります。
時には雇用調整実施企業の人事記録の助けを借りながら、読みやすく簡潔で中身の濃い応募書類を作成します。
1対1、2対多など、さまざまなケースを想定してのロールプレイングを行ない、注意点などを指摘します。
自己PRになれていない方でも、きちんと自分を表現できるような指導を行ないます。
そして、カウンセリングはすべての段階で重要な要素です。
カウンセラーは時には厳しいことも言わなくてはなりませんし、時には励まします。
そして常に求職活動をバックアップすることで、再就職決定までの道のりを伴走するのです。
ここで、再就職支援会社の活動を知っていただくために、組織とその役割について説明しておきます。
再就職支援会社も会社組織ですから、一般的な管理部門は当然ありますが、再就職支援会社独特の部門としては、営業部門、コンサルティング部門、求人開拓部門、教育部門の四部門です。
発注者と受益者が異なる業界で、営業部門は発注者であるクライアント企業を対象に顧客開拓をしています。
人員整理というデリケートな事項を扱う営業ですから、一般の商品の売込みとは違った営業方法をとっています。
銀行や証券会社からの紹介、業界団体や公認会計士、経営コンサルタント、社労士などからの紹介による顧客獲得が多いようです。
通常、顧客となる企業は決定前にプレゼンテーションと見積もりを要求してきます。
再就職支援サービスの根幹であるカウンセリングを担当する部門です。
コンサルタントまたはカウンセラーとよばれる人がいます。
営業が企業を顧客とするのに対して、この部門では受益者である求職者が顧客となります。
クライアント、キャンディデート、受講生、カウンセラー、生徒さん、メンバーなど、その会社独自の呼び方がありますが、ここでは求職者とします。
カウンセリング面接の実施、その記録の作成、指導方針の決定など求職者個々人が再就職に至るまでの一連の作業を行ないます。
自分が担当する求職者のためにコンサルタントが自ら求人開拓を行なっている会社もあります。
その会社の組織やコンサルティング手法によって担当する求職者数は違ってきますが、常識的に判断して担当求職者数が少ないほどきめ細かいサービスが受けられるでしょう。
他の人材サービスと同様に、求人開拓を担当する部門です。
人材紹介を行なっていると、「どのようにして求人を開拓するのですか?何か、特別な人間関係があるからできるのですか?」と質問されることがあります。
確かにある程度以上の期間、人材ビジネスをしていると、求人会社と特別な関係ができる場合もあります。
しかし、基本的には通常の営業とまったく変わらない営業です。
自分の担当地域内の見込み顧客名簿を作成する、電話でアポをとる、訪問してサービス内容を説明する、求人をいただくという手順です。
再就職支援会社の社会的な認知度が低い現状では、再就職支援サービスとは何か、なぜ無料で紹介できるのかなど、こまごまとした説明が必要です。
また、この部門では人材紹介会社などの人材エージェントとの連携を行なっています。
人材エージェントには、新規部門の設立、主要管理職の退職による求人など一般に公開できない求人が集まっています。
そのような求人情報をとるためには、人材エージェントとの親密な人間関係が必要で、そのための活動もこの部門の担当です。
新聞や求人専門誌から必要な情報をクリップし、閲覧できるようにするという場合でも、担当者が求人企業を事前に訪問して、紹介しても大丈夫な会社かどうかを判断したり、安心できる会社であれば、自社からの求職者が応募した場合、ことがスムーズに進むようお願いをしたりするという作業をしています。
求職者の教育を担当します。
通常の企業内研修とは異なり、求職者のニーズに合わせたカリキュラム編成が必要です。
定型的な導入研修やパソコン操作などの研修から、特定の求人に応募するための研修、外部教育機関との提携による専門教育など、幅広い研修の用意を担当します。
実務に直結した教育や訓練がどこまでできるかがこの部門の責任です。
新しい仕事を創造しその仕事に就くための実務教育に重点をおいている会社もあります。
社団法人日本人材紹介事業協会の内部組織である再就職支援協議会では、「サービスを受ける立場およびサービスを提供する立場からコンサルティング、およびサービスの内容が分類されていると、クライアント企業、再就職支援会社双方にとって理解しやすいので分類を行なう」として、次のように分類しています。
この分類を作成した背景には、業界内で再就職支援の考え方で意見が二つに分かれていたということがあります。
ひとつは欧米のようにカウンセリング事業に徹し、再就職先の斡旋まではすべきではないという考え。
もうひとつは、人材の流動性が低い日本では、再就職先の斡旋まで行なわなければ再就職先を見つけるのは困難だという考え。
現在では、カウンセリングと再就職先の斡旋の両方が必要だという意見で、いちおう統一されているようです。
しかし、各会社によってカウンセリングに重点をおくとか、再就職斡旋に力点をおくといった特徴をもっています。
現在、ほとんどの再就職支援会社はAタイプまたはBタイプです。
サービスやノウハウといった目に見えないものに料金を支払うのではなく、再就職決定という実績に対して、またはその実績を期待して報酬を支払うという日本的な商習慣の影響があるようです。
ただ、再就職支援会社は再就職先を保障する機関だというのは誤解です。
カウンセリングを軽視する傾向が、「再就職の斡旋が受けられない」「結局自分の知人にお願いして再就職先を探した」「再就職支援会社は何もしてくれない」という利用者の不満の原因となっています。
カウンセリングの効果をどう考えるかは利用者側の判断です。
しかし、少なくとも、企業から離れた求職者が自分ひとりで再就職活動をすることと、再就職支援サービスを受けて活動することを比較した場合、満点だとはいえないにせよ、再就職支援会社の支援を受けたほうが精神的なストレスや再就職に至るまでの期間の短縮、情報量の多さという点で有利だということは、間違いのない事実だといえます。
人材の採用において重要なことは、求職者と経営者とがどういう出会いをするかということです。
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